J.L Moller NO.75
8月も残りわずか。夜風が心持ち涼しく感じるようになってまいりました。
夏のお疲れは出ていらっしゃいませんか。お伺い申し上げます。
今回の張り替えのご依頼は、Model 75がきました。
1954年に発表されたデンマークの家具を見ていくうえでもとても面白い椅子です。
デザイナーはニールス・オットー・モラー(Niels Otto Moller)、
現在までJ.L.Mollerの代表作として生産されています。


いつものように、資材を全て取り外していきます。
この椅子の面白いところは、シンプルなのに凝っているところでしょうか。

四隅の構造を、木の部材同士をお互いに
嚙合わせるような構造にして、強度を確保しています。
言葉で伝えると、しなりながら力を逃しているような感じです。

ベース材を敷き、クッション材をのせていきます。

この椅子のさらに面白いところは、
貫が見えないというとこ。
実際は見えるんですよ。でも、横のかなり高い位置にあります。
そのため、椅子の下半分がスッと抜けて見えるんです。
これはモラーのとても上手なところだと思っています。

出来上がりが、こちら。
落ち着いた生地が、全体に馴染んでいきます。
もう一つの特徴が背もたれ。
大きく湾曲することもなく、一枚の平らな木製の背もたれです。
しかし、単純な「板」ではなく、身体を受け止めるために、
角を丸めたり、厚みや面の処理を調整しています。



こちらの75は、1954年という初期のモデルですが、
その後70年以上にわたって生産されています。
この完成したデザインが、現代でもほとんど古びずに成立している姿が、
なんとも凛々しいですよね。
ご依頼いただき、本当にありがとうございました!
次は、どんな椅子に出会えるのか毎回楽しみで仕方ありません。