赤いモケットのアームチェア
日に日に暑さが厳しくなってきました。
夏の兆しが感じられます。
今回は、座面のみ張り替えて欲しいというご依頼でした。
持って来られた時のお悩みですが、
座られると太ももの前当たりに
木枠が当たり痛いとのこと。
実際に座ってみると、座面がすぐに凹み、
木枠に当たってしまいます。
これでは、長い時間座っていると苦痛です。
しかも、金属の何かが出っ張っている。
早速、座面を取外しにかかりました。
一つひとつ鋲を外していきますと、
見えてきたのは、鉄のピンのようなもの。
おそらく、前回手がけた方がそのままにしていた様子。
全部、取り外していきます。
背中は触らず、座面のみのクッション構成を考えていきます。
元々の座面の様子をイメージすると
今回は、”こんもりと”がキーワード。
何層にもクッション材を置き、
座面を形作っていきます。
表の生地は、背と同様のモケット地。
通常よりも密度の濃いものを選択されましたので、
手触り感がとてもいい生地です。
生地を張り、鋲を一つひとつ打っていきます。
時間はかかりますが、リズムに乗ると心地よい響きです。
こんもりとしたお山の座面ができあがりました。
お渡しした時は、これで太ももが当たることを気にせずに
お仕事ができると言っておられました。
改めて、座り心地って大切だと思った時でした。
ご依頼、ありがとうございました。