カッシーナLC1スリングチェア
6月に入り、お庭のヘメロカリスが見頃を向かえています。
黄色の花が、可憐です。

さて今回のご依頼は、カッシーナのLC1スリングチェアです。
『ル・コルビュジエと、彼の従兄弟のピエール・ジャンヌレ、
シャルロット・ペリアンとの共同デザイン。
20世紀に作られた椅子の中でマスターピースのひとつに
数えられる名品。(カッシーナHPより)』
※ニューヨーク近代美術館所蔵作品

持って来られた時は、特に痛みがひどい
肘のみの張り替えのご依頼でした。
長年使用したこともあり、革はひび割れ
たるんでいるのを何とかしたいとのこと。
お話をしている内に、背も座も張り替えようという話しになりました。

取り外していくと、フレームに厚革を掛けただけのシンプルな構造です。

厚革を切り出していきます。
次に、下処理を施した厚革に、
1針1針注意をはらいながらステッチをかけていきます。

ハトメ(穴の補強具)を付け、いよいよ張り込みです。
張り込みというよりも、装着に近い感じ。

フレームに厚革を馴染ませていきます。

お渡しした際には、
「この椅子で、また読書ができる。」と
喜んでおられました。

ご依頼、ありがとうございました。